Q.遺言書について

昨年父親がなくなり相続の話し合いをはじめましたが、父親の関係書類はすべて養子の長女の婿がもっていてどのようなものがあるのか知らされていません。今までの話し合いでは遺言書はないとのことでしたが、年末に突然遺言書があったとの連絡があり今年なって検認が終わりましたが何の連絡もありません。この遺言書は効力はあるのでしょうか、私たちはどうしたらよいのか教えてください。

A.検認された遺言書の記載内容が重要です。

家庭裁判所に対し、まず検認調書の謄写申請をして下さい。

遺言書が有効がどうかは、最終的に判断するのは裁判所であり、遺言書が有効ではないと考えられる場合、遺言無効の訴訟を提起することも可能です。遺言書の形式は有効であっても、遺言無効の訴訟を提起することも可能です。例えば、遺言者の筆跡が第三者のものであり遺言書が偽造されたとか、遺言者が認知症で遺言能力がなかったとの理由で遺言無効の訴訟が起こされることがあります。

遺言書の形式が法的に有効である場合、その遺言書に基づき遺言執行が可能となりますので、検認された遺言書に基づく遺言執行がなされた可能性があります。遺言執行とは遺言書に基づき亡くなった被相続人の不動産の名義を遺言書に記載してある相続人名義に移転させるとか、亡くなった被相続人名義の銀行預金を遺言書に記載してある相続人名義に変更するなどの手続です。

遺言書が検認されたのであれば、既に遺言執行がなされてしまった可能性もあります。既に遺言執行がなされてしまったなら、何も連絡して来ないかもしれません。

このように遺言書に基づき遺言執行がなされた可能性もありますが、それを未然に防ぐ方法もないわけではありません。また、仮に遺言書が形式的にも内容的にも有効であり、遺言執行がなされてしまって場合でも、遺留分減殺請求をして遺留分を確保することもできます。

いずれにしろ専門家にご相談することをお勧めします。